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ペンキと化学物質:安全で健康に配慮した塗料選びと使用方法

公開日 2024年4月26日 最終更新日 2024年4月26日

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家を塗り替えたいけれど、「ペンキの化学物質が心配」と感じていませんか?安全で快適な生活空間を確保するために、どのペンキを選べばいいのか、どうすれば健康を守りながら美しい仕上がりが得られるのか、その答えをこの記事で解説します。VOCフリーのペンキや自然塗料の選び方から、安全な塗り方まで、あなたの家族と環境を守るための具体的なステップを紹介しています。この記事を読めば、あなたも安心してリフォーム計画を立てられるでしょう。ぜひ、最後までご覧になって、安全で健康的な居住空間の作り方を学んでください。

ペンキ選びで考慮すべき化学物質の基礎知識

塗料の成分は大きく分けて、以下の4つの主要な部分から構成されています。

  1. 樹脂(バインダー): 塗料の主成分であり、塗膜の形成を担う物質です。塗料が乾燥するとき、この樹脂が硬化し、塗料が表面に密着して保護膜を形成します。樹脂の種類によって、塗料の耐久性、光沢、硬度などの性質が決まります。
  2. 顔料: 色を付けるための成分であり、UV保護や錆防止などの特性も提供します。顔料には無機顔料と有機顔料があり、使用する環境や求められる特性に応じて選ばれます。
  3. 溶剤(希釈剤): 樹脂と顔料を適切に混ぜ合わせ、塗りやすい状態にするための液体です。溶剤の種類によって塗料の乾燥速度や粘度が変わります。水性塗料では水が主な溶剤として用いられ、油性塗料では有機溶剤が使われます。
  4. 添加剤: 塗料の性能を向上させるために微量添加される成分で、乾燥時間の調整、光沢の調整、防腐効果、撥水効果など多岐にわたる効果があります。添加剤の種類と量によって、塗料の性質が大きく変わることがあります。

これらの成分が適切に組み合わされることで、塗料はその特性を発揮し、さまざまな用途に使用されます。

《参考サイト》日本ペイント

塗料の成分と塗膜の形成

塗料に含まれるVOC

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VOC(揮発性有機化合物)は、大気中に揮発しやすい有機化合物のことを指します。塗料に含まれる成分の中で、特にVOCに分類されるものは以下の通りです:

1. 溶剤(希釈剤)

  • トルエン
  • キシレン これらは典型的な有機溶剤であり、高い揮発性を持つため、VOCに該当します。これらの化合物は大気中で光化学反応を起こし、オゾン層の破壊やスモッグの原因となる可能性があるため、多くの国や地域で使用が規制されています。

2. その他の有機化合物

塗料に含まれる他の成分、特に一部の添加剤や樹脂成分もVOCに含まれる場合があります。これらは塗料が乾燥する過程で大気中に揮発する可能性があります。

《参考サイト》環境省

すぐにできるVOC対策

水性塗料と油性塗料の違い

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  • 水性塗料: 主な溶剤が水であるため、VOCの含有量が比較的少ないですが、完全に無いわけではありません。低量のVOCが含まれている低VOC水性塗料にも少量の有機溶剤が含まれることがあります。全くVOCが入っていないタイプはゼロVOCもしくはVOCフリー塗料と呼びます。ただ、含有量が規定量以下場合にもVOCフリーと表示上書いてもいい場合があるため、ゼロと表示があっても成分の確認が必要です。特に化学物質過敏症の方やアレルギーの方は選ぶときに気をつけましょう。
  • 油性塗料: 有機溶剤を主に使用しているため、VOCの含有量が高くなりがちです。

塗料の成分表示や製品の安全データシート(SDS)を確認することで、その塗料のVOC含有量や具体的な化学物質を把握することができます。また、環境保護を目的とした塗料選びでは、低VOCまたは無VOCの塗料を選ぶことが推奨されています。

《関連情報》おすすめは水性塗料

水性塗料をおすすめする5つの理由

化学物質の含まない安全なペンキの選択方法

安全なペンキを選ぶ際には、VOCの含有量が少ない、またはVOCフリーの製品を選ぶことが重要です。製品のラベルや安全データシート(SDS)を確認し、具体的な化学物質の種類と含有量をチェックしてください。また、環境保護団体や消費者団体が推奨する製品を選ぶのも一つの方法です

VOCフリーペンキの選び方と利点

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① VOCフリーペンキの定義

VOCフリーペンキとは、揮発性有機化合物(VOC)がほとんど、または全く含まれていないペンキのことを指します。これらのペンキは、通常のペンキに比べて人体や環境に与える負担が少ないため、特に小さな子供やペットがいる家庭、または化学物質に敏感な人々に適しています​。

② 市場でのVOCフリーペンキの選択肢

市場には様々なVOCフリーペンキが存在します。選択肢には水性ペンキや天然成分を利用したペンキなどがあり、それぞれに特有の特徴や利点があります。例えば、水性ペンキは溶剤に水を使用しているため、有害な溶剤の排出が少なく、臭いも抑えられています。天然成分を使用したペンキは、さらに環境に優しく、アレルギー反応を引き起こしにくい傾向にあります​ 。

③ VOCフリーペンキの健康上の利点

VOCフリーペンキの最大の利点は、室内空気質の向上と健康リスクの軽減にあります。VOCは目や喉の刺激、頭痛、アレルギー反応などの健康問題を引き起こすことが知られています。VOCフリーペンキを使用することで、これらの症状のリスクを減少させることができ、特に長時間を室内で過ごす人々にとっては、より安全な環境を提供することが可能です​ 。

これらの情報から、VOCフリーペンキは健康を守りつつ、美しい仕上がりを実現するための優れた選択肢であることが分かります。自宅での塗装プロジェクトにおいて、健康を最優先に考える場合はVOCフリーペンキを選ぶことをお勧めします。

《関連情報》

低VOCとゼロVOCの違い

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リフォーム時の化学物質からの保護

リフォームプロジェクトでは、使用する材料から発生する化学物質が健康に与える影響を最小限に抑えるための適切な対策が必要です。

① リフォームの安全対策

リフォーム時の安全対策には、使用するペンキや素材がVOCを含まない、または極めて少ないものを選択することが重要です。VOCフリーまたは低VOCのペンキを使用することで、室内の空気質が保たれ、健康への悪影響を防ぐことができます。また、作業中は適切な換気を行い、空気中の有害物質が外に逃げるようにすることも大切です​。

② 換気の重要性

塗装やリフォーム作業中の換気は、化学物質が室内に蓄積するのを防ぐために非常に重要です。窓を開ける、換気扇を使うなどして、常に新鮮な空気を室内に取り入れるようにしましょう。特に、ペンキや接着剤の乾燥中は、有害な蒸気やガスが発生しやすいので、この時期の換気には特に注意が必要です​。

③ 専門家との相談の重要性

化学物質の影響を最小限に抑えるためには、専門家と相談することも有効です。特に、化学物質過敏症の方や小さな子どもがいる家庭では、専門家の意見を聞きながら、最も安全な材料選びや施工方法を決定することが大切です。専門家は、最新の研究や規制基準に基づいたアドバイスを提供することができ、より安心してリフォームを進めることができます​。

塗料の安全使用における具体的なステップ

① 塗装前の準備

塗装作業を始める前には、必要な準備をしっかりと行うことが重要です。作業エリアを清掃して塵や油分を取り除き、塗料が直接地面や他の表面につかないように養生することが必要です。また、必要な塗料の量を正確に計算し、十分な量を用意しておくことも計画的に作業を進める上で役立ちます。これにより、作業中断を避け、一度に完成させることができます。

② 適切な保護具の使用

塗料を扱う際は、適切な保護具の使用が非常に重要です。防塵マスク、保護メガネ、手袋を着用することで、有害な化学物質から身を守ることができます。特に揮発性の強い塗料を使用する場合は、適切な呼吸保護具を使用することが推奨されます。これにより、目や呼吸器系への刺激を防ぎ、安全に作業を行うことができます。

③ 安全な塗り方

ペンキの塗り方には、均一に美しく仕上げるための技術が求められます。例えば、一定の方向でブラシを動かす、適切な厚さで均等に塗布するなどの技術があります。また、特定の塗料には特定の方法が推奨されることが多く、製品の指示に従って正しい方法で使用することが大切です。適切な技術を用いることで、作業効率が向上し、仕上がりの質も高まります。

まとめ|安全なペンキ選びで健康的な生活空間を実現しよう

以下の表は、安全なペンキの選び方と使用方法をまとめたものです。これを参考に、家族と環境を守りながら美しくリフォームしましょう。

項目 概要
VOCフリーペンキの選び方 VOCの含有量が少ないか確認し、安全データシート(SDS)で成分をチェック
シックハウス症候群の予防 低ホルムアルデヒドの材料を選び、十分な換気を心がける
アレルギー対策 アレルギー物質を含まない自然塗料やオーガニック塗料を選ぶ
安全な塗り方 適切な保護具を使用し、正しい塗装技術を適用する

この記事を参考に、あなたの家を塗り替える際には、ペンキ選びから施工まで、安全で健康的な方法を選んでください。それにより、美しく、快適な居住空間を長期にわたって保つことができるでしょう。

シックハウス診断士 加納亜由美

グリーンエレファント共同経営者の加納です。
安全塗料といえばエコス社のオーガニックペイントのお仕事
を始めてからペイントの楽しさに目覚めました♡
シックハウス診断士として健康な室内環境作りの
お手伝いいたします。

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