有害物質を閉じ込める方法 クローゼットの匂い対策
公開日 2023年3月28日 最終更新日 2023年11月28日
クローゼットや押し入れの匂いが気になることはありませんか?
塗装で有害物質を閉じ込めて匂い対策ができます!
当店に寄せられるご相談では、
特に高温多湿になる梅雨から夏の時期に押し入れやクローゼットの匂い対策に関するお電話をいただくことがぐっと増えます。VOCは常温で揮発するのですが、気温が上がるほど揮発する量が増えます。匂いで気分が悪くなったり、呼吸がしにくくなったり、頭が痛くなるなど体調不良にまでなることも多いのです。
原因として多いのは
・合板など建材からの匂い
・防虫剤や柔軟剤などの匂い移り
そんな悩みがある方は塗装で有害物質を閉じ込めることができますよ。今回私自身が実家の作り付けのクローゼットを塗装で匂い対策をした様子をご紹介します。
有害物質を閉じ込めるペンキ
エコスオーガニックエアピュアプライマー
30年以上前にシックハウスに悩まされたイギリス人化学者2人が、自分達のために研究開発したエコスオーガニックペイント。
様々な用途の塗料があるのですが、その中のエアピュアプライマーはモレキュラーシーブが有害物質を吸着&中和してお部屋に出さないようにしてくれるペンキです。
合板やパテなど建材にはVOCを出すものが多く、その匂いなどで気分が悪くなったり体調を崩してしまう敏感な方におすすめです。
作り付けのクローゼットの合板の匂い気になる!
押し入れと同じ奥行きで作られたタイプのクローゼットです。
中は合板が貼られています。
実家に服を置くようになったので、服を運び込む前に空っぽの状態で塗装しておけば合板の匂いも閉じ込められるし、白い塗装であれば明るくなって使いやすくなる!と塗装することにしました。
衣類の化学物質は経皮吸収されるので要注意!
匂いは布(服)につくと洗濯をすれば落ちていくのですが、完全に取ることは不可能と言われています。服に匂い(化学物質・有害物質)が付いてしまうと、体を覆うので体温で温度が上昇し有害物質は揮発が進んで、呼吸や皮膚から体内に取り入れられてしまいますので、あまり軽視しないようにしてください。
塗装準備は掃除とマスキング
仕上がりとスムーズな作業には事前準備が大事です。
今回はサッと埃取りを掃除用のブラシで行い、水拭きしました。
マスキングテープを貼るところも埃が残っていると密着が良くないので、しっかり掃除します。水拭き後、乾燥してからマスキングと塗装の作業に移ります。
マスキング。
今回は幅のある養生テープを使いました。
養生テープは本来養生シートなどの固定に使うためのもので、ポリエチレンの繊維で織られています。マスキングテープは紙でできています。きっちりマスキングしたい場合はマスキングテープの方が接着面が平滑で綺麗にマスキングできます。どちらも剥がしやすいように粘着力は弱めですが、マスキングテープに比べると養生テープのほうが粘着力は強いように感じます。どちらも塗装後、半乾きの状態で剥がします。長く貼っているとテープが残ることがありますので注意。また塗装が乾いてしまうとテープと一緒に塗膜が一部剥がれることがあるので半乾きがポイントです。
接着面がしっかり密着していないと塗料が入り込んでしまいますので、テープを貼った後にウエスなどで抑えておきます。
エアピュアプライマーを塗装する
塗装する
エアピュアプライマーを塗装します。今回はローラー塗装しました。
このくらいの幅のものや、一般的な部屋の壁などの面を塗装する際は6インチのローラーが使いやすいと思います。幅の狭い3インチや4インチだとローラーを動かす回数が増えてしまいムラになりやすくなってしまいます。いっぺんに塗装してしまおうと9インチなどの大きいものを使うと塗料をつけると重さも出て、小回りが効かなくなってしまうので慣れていないと難しいかと思います。その辺のバランスを考えると6インチがお勧めです。
今回は奥行きがあって塗装しにくかったです。私は使いませんでしたが、ローラーハンドルにつける継ぎ柄を使うと塗装しやすくなったかな?とも思います。ホームセンターで1000円程度で買えますので、DIY塗装をされる方は持っておくと便利です。壁塗装の際もつぎ柄をしておくと壁の上部から下まであまり動くことなくスムーズに塗装ができます。
1度目の塗装が完了。
白は隠蔽性が低い色なので少しムラになるやすいです。
私は塗装が上手とは言えないのですが、慣れていないわけでもないという程度の腕前です。ご参考までに。エコスの塗料は1度塗りまでに2時間以上あけます。触っても手につかないタッチドライにまずなりますが、これは塗装の表面だけが乾いています。中がまだ乾燥していないのでこの状態で上塗りしてしまうとローラーの圧力で塗膜が捲れ上がりますので、触るとサラッとしている程度にまで乾かしてください。また乾きに多少のムラがありますので数箇所を触って確認するのも必要です。
2度目の塗装を完了し、クローゼットの中なので服を入れるしそんなに綺麗でなくても気にならないかな?と思ったのでこれで仕上げにします。
マスキングは半乾きの状態で撤去します。早すぎると塗料が流れてはみ出してしまいます。また完全に乾いてしまうと、マスキングテープと塗装面にわたる塗膜がそのまま硬化していますので、テープを剥がすと一緒に塗膜が剥がれたり、割れてしまって綺麗に仕上がりません。
塗膜が柔らかい状態で剥がします。
クローゼットの中が白いと明るくなります!
エアピュアプライマーで有害物質を閉じ込める際のポイントは有害物質を放出するところをぐるっと全て塗装すること。側面など塗装していないところがあるとそこから有害物質が出ますので覆ってしまうことが大事です。
エアピュアプライマーが減らせる有害物質とは?
エアピュアプライマーをアメリカのEPA(米国環境保護庁)メソッド24で試験し、VOCを取り除くのか評価しました。
一般的な家庭の化学品と幼児がアレルギーを引き起こすリスクのある成分の化合物を検査したところ、結果的に全体の化合物は平均76%の吸収率となりました。
具体的に以下の化合物の減少が確認されています。
ホルムアルデヒド
アセトン
エチルアセテート
pキシレン
2プロパノル
2ブタノン
ベンジン
プロピレングリコール
mキシレン
oキシレン
ジエチレングリコール*
ジプロピレングリコール*