ゼロVOC塗料について《ゼロVOCの定義を解説》

公開日 2023年1月31日 最終更新日 2023年2月21日

zerovoc

 

ゼロVOCという言葉を説明するにはVOCとは何かまず知らないといけません。VOCとは日本語で言うと揮発性有機化合物のことです。揮発性があり、大気で気体となる有機化合物の総称のことです。多くの塗料にはVOCが含まれていて、たくさん入っている溶剤系の油性塗料などは”臭い”ペンキの臭いがします。また、VOCが低量しか入っていない低VOC塗料は臭いも酷くなく、そしてVOCが入っていない塗料をゼロVOC塗料といいます。こちらのコラムでは低VOC塗料とゼロVOC塗料に関して解説しています。最近はDIYでリノベーションをする方も増えてきました。その際にできるだけどなたにとっても安心して使いたい塗料選びの参考になればと思います。ちなみにゼロVOC 塗料はVOCフリー塗料と表示されることもありますが同じ意味で使われます。

VOCについて

VOCは揮発性有機化合物のことをいいます。英語のVolatile Organic Compoundsの略です。

揮発性があり、大気で気体となる有機化合物の総称です。

VOCにはいろいろな成分が含まれますが塗料や接着剤、インクの溶剤、ガソリンから出るトルエン、キシレンなどに含まれ、揮発して大気に放出されます。工業的な物だけでなく、身近な家庭用の水性塗料やエアゾールスプレーのガスなどにも含まれ、それらの大気中に出るVOCはPM2.5や光化学オキシダントなどの大気汚染物質の原因になると言われています。VOCに分類されている物質の中には発がん性物質発がん性物質など人体に健康被害をもたらすものも含まれています。また、シックハウス症候群の原因となり得る指摘もされています。ご存知の通り大気汚染は健康に悪影響を与え、環境にも良くありません。そのためVOCはできるだけ普段から取り入れたくない有害物質ともいえます。

《参考サイト》東京都環境局

VOCとは

《参考サイト》厚生労働省

シックハウス症候群とは

VOCと塗料

大気中に排出される有機化合物の中でも塗料、インク、接着剤、洗浄剤などから排出されるものが全体の75%にも及ぶため、業種別に見ても塗料を多く扱う業種が有機化合物を多く大気に排出しています。塗料の成分は顔料、樹脂、添加剤、溶剤(または水)の4つでできています。顔料、樹脂、添加剤は液体ではないため溶剤か水で溶かして塗装します。有機溶剤で溶かすのが油性塗料、水で溶かすのが水性塗料となります。油性塗料は有機溶剤のシンナーを使って溶かします。一般住宅や陸橋の塗り替えなどでも使われますからそのため例えば自宅や近所の外壁の塗装などの際のシンナー臭がする塗料に気付いた方も多いのではないでしょうか?それが有害物質のVOCの匂いなのです。

塗装した後のペイントの匂いは乾いて時間が経つにつれだんだんと無くなっていきます。しかし匂いがしなくなったから有害物質がもう出ていないというわけではありません。塗料に含まれるVOCは新しく塗った壁からだけ揮発しているわけではなく、3~5年かけて揮発し続けるのです。でもいくら”低量”でもVOCが入っていることには変わりません。有害物質に敏感な人やアレルギーのある方は少しでも有害物質に暴露すると頭痛や咳、目が痛くなるなるなど体調が悪くなることがあります。

塗料を多く扱う業種が有機化合物を多く排出してしていると書きましたが、その対策として、VOCの放出規制などが法整備され塗料業界もVOC対策が進んできました。

VOCの排出をできるだけ少なくするために、無溶剤系塗料水系塗料などが最近では使われるようになりました。効果的ではありますが、VO Cをできるだけ減らした低VOCという塗料でも塗料の性能を安定させるための添加剤としてVOCを含むため完全にVOCが入っていないとは言い切れません。よって、さらに全くのVOCをいれていないゼロVOC塗料も開発が進み市場には出始めています。ゼロVOC塗料はVOCフリー塗料と表示されることもあります。

実はゼロVOC塗料でも有害物質は入っている!

ではゼロVOC塗料はVOCが大気中に揮発されることなく環境や身体への被害はなくなるはずなのでとてもいいのでは?と思われると思います。VOCを含まないゼロVOCは低量含まれている低VOCよりも安全なのは確かだと思いますが、有害物質が完全にゼロではありません。まずVOCとして規制されていない化学物質もあります。有害物質が全てVOCとして規制されているわけではないため、そのような物質が成分に含まれていてもゼロVOC塗料ということが可能です。ゼロVOC塗料の一つに、VOC(揮発性有機化合物)を含まないゼロVOCのベースを使用しているという塗料があります。ベースにはVOCが含まれないが添加物や顔料にVOCもしくは化学物質が含まれている可能性があります。抗菌剤や防カビ剤などの添加物は性能アップさせるためにいいことのように思いますが、化学物質や有害物質に敏感な方や赤ちゃんなど小さい子供にとっては有害です。また化学物質過敏症やアレルギーの方にはゼロVOCでももしかすると危険な物質が入っている可能性もあるのです。

わかりやすく説明すると、例えば食物アレルギー表示に関してです。アレルギーを含む物質は、表示義務のある特定原材料7品目と表示が推奨されている特定原材料に準ずるもの21品目に分けられます。アレルゲン物質の入っていないと書かれたお菓子があるとします。もし表示推奨の21品目の中の物質が入っていても表示する必要がありませんのでもし何らかその21品目の中のアレルギーがある人は気をつけないといけません。アレルギー対策されたお菓子とはいえ、もしかしたら表示されていない物質が入っている可能性もあるからです。最近は28品目全ての表示がある物も増えましたが、そうでない物もたくさんあり、またその28品目以外の何らかの物質にアレルギーがある方もいるかもしれません。

おすすめはゼロVOC塗料よりも安全なオーガニック塗料?

ゼロVOCで、さらに他の有害物質や化学物質をいれていないというオーガニック塗料もあります。抗菌剤や抗菌薬を一切含まない塗料です。そのような塗料だと化学物質に敏感な方でも安全塗料と言えるでしょう。食品グレードの成分を使い、使用成分の公開をしているためもし気になる物質があれば事前に確認することができるからです。

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《関連情報》エコスオーガニックペイント

オーガニックペイントについてさらに詳しく

シックハウス診断士 加納亜由美

グリーンエレファント共同経営者の加納です。
安全塗料といえばエコス社のオーガニックペイントのお仕事
を始めてからペイントの楽しさに目覚めました♡
シックハウス診断士として健康な室内環境作りの
お手伝いいたします。

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