板を黒板にする塗料とは?段ボール黒板をDIY製作した事例を紹介
公開日 2025年7月17日 最終更新日 2025年7月19日

「木の板におしゃれな文字が書けたらなぁ~」「段ボールにチョークでイラストが描きたい!」
こういったアイデアを形にしてくれる、板を黒板にする塗料があります。
板を黒板にする塗料の一般名称は、「黒板塗料」もしくは「チョークボードペイント」です。黒板塗料は、日本の塗料メーカーだけでなく、海外で有名な塗料メーカーからもリリースされており、DIYブームが続く昨今に需要が高まっています。
このコラムでは、黒板塗料の特徴や塗れる素材・対象物、板を黒板にする簡単な方法について解説します。
先日、私も段ボール黒板をDIY製作したので、その事例も併せてご紹介しますね!
板を黒板にする塗料【黒板塗料】の特徴
黒板塗料とは、塗装した面を黒板として使用できる塗料のことです。学校で用いられている黒板と同じように、チョークで文字や図形、イラストが描けます。
黒板塗料が塗れる板には、ベニヤ板などの木板、鉄板、プラスチック板、段ボール板などが挙げられます。
素材によっては密着しづらいため、プライマーと呼ばれる下地塗料で下塗りを行う必要があります。
黒板塗料の使用用途

黒板塗料は板を黒板にする塗料ですが、板に限らず、壁やフローリング、窓枠、家具、家電、雑貨など、あらゆる物を黒板にしてくれるものです。
板を黒板にする用途以外にも、住宅・オフィス・教育機関などで外壁・内装リフォームに用いられています。
また、水性塗料はVOCなどの有害物質放出量が少ないため、ベビー用品やペット用品の塗装にも好まれています。植木鉢やフェンス、ベンチ、などを塗装するガーデニング塗料としても使用可能です。
水性塗料はVOC放出量や臭いが少ない

黒板塗料も一般的な塗料のように「油性塗料」と「水性塗料」の2種類があります。
油性塗料は水性塗料よりも耐久性が高い傾向にあり、チョークで文字を書きやすいのがメリットです。文字や図形を長期間保持したい場合や、頻繁に書き換えたりする場合に適しています。塗料が密着しづらい金属にも塗装できるのは油性塗料の優れた点です。
その反面、油性塗料には多量のVOC(揮発性有機化合物)が含まれる場合があり、シンナーで希釈するため強い臭気を発します。VOCは大気汚染の原因物質であり、発がん性のあるものも含め100種類以上あるといわれています。
一方、水性塗料は安全性が高く、人体や環境への負担が少ないのが最大のメリットです。
水性塗料は低VOC、またはVOCを含まないため、化学物質過敏症やシックハウス症候群のリスクを減らせます。
水性塗料は水で希釈し、刺激臭を持つホルムアルデヒドなどが含まれていないため、油性塗料に比べると臭いが少ないです。速乾性にも優れており、快適に塗装作業が進められます。
【体験記】エコスオーガニックチョークボードペイントで段ボール黒板をDIY製作してみました

板を黒板にする塗料の1つが、エコスオーガニックチョークボードペイントです。このペンキは、シックハウスに悩んだ2名のイギリス人科学者によって開発されました。イギリスでは1985年に販売開始しています。
グリーンエレファント社が輸入販売を行い、日本では2012年からDIYで使用されるようになりました。VOCゼロ・有害物質ゼロのペンキで、健康被害や臭いの心配なく使えるのが魅力です。
今回は、エコスオーガニックチョークボードペイントで段ボール黒板をDIY製作してみたので、手順やポイントをご紹介します。

エコスオーガニックチョークボードペイントは、ゼロVOCかつ無害の原料のみを使用している安全な黒板塗料です。抗菌剤や抗菌薬さえも未使用なので、舐めても人体に影響を及ぼす心配がありません。
25色展開で、定番のチョークボードグリーンからトレンドカラーのチョコレートブラウン、鮮やかなストリーム、グルービィまで幅広い色から選べます。
多少主観も入りますが、エコス社のペンキの魅力をいくつか挙げてみますね。
・海外ペンキならではの鮮やかな発色
・艶が抑えめで塗装後に高級感がプラスされる
・おしゃれで上品な色合いがインテリア性抜群
・乾燥が早く、気温や湿度によっては短縮可能
・いやな臭いが全くないので換気できなくてもOK
・伸びが良くてDIY初心者でも扱いやすい
実際に使用してみると、「確かに!」と共感してもらえる部分が多いと思います。
段ボール板を黒板にするのに必要なもの
段ボール板を黒板にするのに必要なものを以下にまとめます。
・塗装する段ボール板
・塗料(ペンキ)
・スポンジ刷毛(ローラーでも可)
・サンドペーパー(240番を使用)
・養生シート
・塗料混ぜ棒(割り箸でOK)
・塗料皿(食品トレーでOK)
用意する段ボールは、宅配で届いた空き箱でもいいですし、ホームセンターやオンラインストアで売られているものでも問題ありません。
私は、オンラインストアで購入したごく一般的な段ボールをはさみで切り、2種類の大きさにしました。(55×62㎝と33×24㎝)
この2枚の段ボール板を塗装していきます。
段ボール黒板をDIY塗装する手順とポイント

1、研磨する
段ボールを塗装する前の下準備として、サンドペーパーで全体を軽く研磨します。段ボールの表面に埃や汚れで凹凸があると、塗料が均一に塗れないことがあるからです。
2、下塗りをする(省略可)
段ボールは塗装に適した素材なので下塗りは特に必要ありませんが、場合によっては段ボールプライマーやジェッソなどの下地剤を塗ることが推奨されます。
エコスオーガニックチョークボードペイントは密着性が高いため、段ボールへの塗装で下塗りがなくとも問題ありませんでした。
3、塗装する
エコスオーガニックチョークボードペイントの塗装に適した温度は20℃程度、5℃以下や40℃以上など極端に気温の低い・高い場所には向いていません。湿度は80%以下が望ましいです。私は、エアコンの除湿モードで温度を30℃以下に保ちながら作業しました。
塗料を割り箸で混ぜ、スポンジ刷毛で段ボールを塗装していきます。塗料が少し固いと思ったら、水を数滴混ぜるだけで伸びが良くなり塗りやすくなります。ただし、段ボールは水に弱いので希釈しすぎないよう注意が必要です。
塗装の際は、板の端からスタートし、紙目(繊維の方向)に沿ってなるべく一方向に塗るのがポイントです。適当に塗ると、乾いた時にムラになりやすいので気を付けましょう。
段ボールの種類によっては、段目の部分に塗料が上手く塗れない場合があります。細かい塗り残しができた時は、刷毛の向きを変え、毛束の細い部分を使うと綺麗に塗れます。
4、乾燥させる
1度塗りの際に余った塗料は、食品トレーにラップをかけて保存しておきます。
エコスオーガニックチョークボードペイントのカタログには「2度塗りまでは2時間以上」と書かれていますが、晴れた日の除湿した室内では、1時間かからずに乾きました。
一般的な水性塗料の乾燥時間は3〜4時間程度。完全乾燥させた方が耐久性にも美観にもメリットがあるため、乾燥時間は長めに取るのがベターです。
触ってみて塗料がつかなくなるまで乾燥させたら、2度塗りをします。
5、2度塗りする
1度塗りの時と同様、なるべく一方向に塗り、細かい塗り残しがないよう塗装していきます。段ボールの素材が透けないよう、塗料はたっぷりと使うのがおすすめです。
24時間以上乾燥させれば、黒板として使用できるようになります。塗膜が完全硬化するまでには1ヶ月程度かかるといわれているため、それまでは強く擦ったりぶつけたりしないよう配慮しましょう。
最後に、段ボール取り扱いの注意点です。
段ボールは紙素材なので水に弱く、塗装前やペンキの乾燥前に水濡れするとふやけたりムラになったりします。手や刷毛を洗浄した後の水滴が飛ばないように注意してくださいね。
段ボール黒板の仕上がりについて

長期保存していた段ボールだったため、あまり状態がよくありませんでしたが、それでも塗装後は黒板として使用できるようになりました。
画像のように、粘着テープや画鋲などで壁面に飾ることもできますし、フラップ部分を活かして簡易的な立て看板にすることもできます。
完成後、実際にチョークで文字やイラストを描いてみたところ、段ボールの段目にチョークが引っかかってしまい、少し苦労しました。その分、他の材質では出せない風合いが表現できたのは思わぬ収穫です。不要な段ボールがある方は、こういった利用方法も検討してみてください!
DIYで板を黒板にするのは、手作り感があって親しみが沸くため、幅広いシーンで活用できるのではないかと思います。
例えば…
・カフェ、飲食店、青果店
・地域のイベント
・フリーマーケット、屋外イベント
・文化祭、体育祭
・劇場やライブハウスでの呼び込み
・車両での自社PR
などで便利に活用できるのではないでしょうか。
段ボール以外にも、ボール紙や厚紙などで黒板を作ることも可能です。凹凸のない滑らかな面の黒板にしたい場合は、木材の中でも「シナベニヤ」が良いとされています。
看板に手書き文字やチョークアートを取り入れたい方には、特におすすめですよ!
まとめ|板を黒板にする「黒板塗料」は趣味にもビジネスにも活用できます

黒板塗料は、塗装する素材によってはカジュアルな印象になりますが、ラグジュアリーな印象にもできます。
段ボール板を黒板にすると、カジュアルな印象で親しみやすい反面、耐久性が低いのが欠点です。短期間での使用なら問題はないと思いますが、もし長期的な使用を考えているのであれば、木板や鉄板など耐久性に優れた素材の板を黒板にしましょう。
板を黒板にする「黒板塗料」は、趣味にもビジネスにも活用できます。自宅でチョークアートに挑戦したい、家族間のコミュニケーションツールにしたい、という要望を叶えてくれます。
また、店舗のメニュー看板を製作する時に便利ですし、イベントなどで手書きイラストを披露して人目を惹くことも可能です。
黒板塗料をさまざまな場面で役立ててくださいね!

担当ライター
WEBライター 原野 光佳(はらの るか)
WEBライターとして、さまざまなジャンルの記事を執筆しています。
インテリアデザインやおしゃれな家具・雑貨、色の持つ効果などに関して勉強中です。
化粧品や食品などもオーガニックを好んでおり、ユーザー目線でオーガニックペイントの魅力を伝えていきます!