匂いのしない塗料はある?ペンキのにおいが気になる原因と対処法!
公開日 2025年7月15日 最終更新日 2025年7月18日

外壁や室内の壁、手作り家具、既成家具、プラモデルの作品作りなど、DIYで塗装する時、塗料のにおいが気になる方は多いと思います。
塗装作業に集中したいのに、塗料のにおいがきついと、体調を崩してしまい、長時間の作業は難しいですよね。
昔の塗料はにおいが強く、「臭い」「体に悪い」というイメージがありましたが、今は匂いのしない塗料も増えています。ペンキ=体に悪いものという概念を覆すペンキも登場しているので、これからDIY塗装する方も安心です!
今回は、塗料のにおいが気になる原因から始まり、匂いのしない塗料はあるのか、どんな種類の塗料なのか。快適なDIY塗装に役立つ情報をまとめていきます。
塗料のにおいが気になる原因は?
DIY塗装をしていて、「塗料が臭くて気分が悪くなった」経験をしたことがある方は多いのではないでしょうか。
化学製品に関する相談を受け付けている民間機関の相談事例でも、塗料のにおいによる体調不良がいくつか見られます。
塗料のにおいが気になる原因は、「塗料の種類(溶剤)」「有害な化学物質」「ホルムアルデヒドの放散量」の3つに分けられます。
塗料の種類と溶剤

塗料は大きく分けると、水性塗料と油性塗料の2種類です。
さらに油性塗料は、溶剤であるシンナーの強さで「弱溶剤」と「強溶剤」に分けられます。
どちらも塗料の希釈を目的に用いられる塗料シンナーですが、弱溶剤の主成分はミネラルターペン、強溶剤の主成分はトルエン、キシレンというように、主成分に違いがあります。
弱溶剤の溶解力は比較的弱めなのに対し、強溶剤の溶解力は高いです。
強溶剤の方が耐久性に優れている、乾燥が早いなどの利点がありますが、臭気が強いのが難点です。
一方、水性塗料は希釈に水を用いるため、臭気が弱い、もしくは無臭です。
VOCなどの有害な化学物質

塗料の臭気の大きな原因は、有害な化学物質です。中でも、VOC(揮発性有機化合物)は、人体にさまざまな悪影響を及ぼすと考えられています。
塗料のにおいによる体調不良は、目・鼻・喉の痛み、吐き気、頭痛、皮膚への刺激など個人差があります。
VOCとして認識されているものだけでも200種類があり、代表的な物質はトルエン、キシレン、酢酸エチル、1-メチル-2-ピロリドン、テキサノールなどです。
2007年に北海道紋別市で発生した、新築小学校でのシックハウス症候群の事例では、VOCの一種である1-メチル-2-ピロリドン、テキサノールが壁の塗料から検出されています。塗装に使用されたのは水性塗料でしたが、VOCが多く含まれていたため、健康被害をもたらしたと判断されました。
ホルムアルデヒドの放散量

塗料に含まれるホルムアルデヒドはVOCの一種であり、常温の低い温度でも揮発しやすいため、高揮発性有機化合物(VVOC)と呼ばれています。
ホルムアルデヒドは無色ですが、ツンとするような刺激臭を持ち、においによる体調不良だけでなく、皮膚への刺激やアレルギー、呼吸器疾患、肝臓・腎臓の障害、発がん性の可能性がある物質です。
そのため、建築基準法では、ホルムアルデヒド発散量に応じて等級分けがされており、内装仕上げに用いる建材において、使用面積が制限されています。
ホルムアルデヒドの等級は、アルファベットの「F」と記号の「☆」で表示され、4段階に分けられています。

規制の対象になるのは、塗料や木質建材、壁紙(クロス)、断熱材などです。
ホルムアルデヒド放散量が非常に多いF☆(表示なし)の塗料は、使用自体が禁止されています。
匂いのしない塗料はある?DIY塗装が快適になるペンキとは

匂いのしない塗料があれば、DIY塗装が快適になり、作業も捗りますよね。
最近は内装リフォームやDIY家具などをされる方が増えているため、匂いのしない塗料の開発も進み、普及してきています。
匂いのしない塗料は、においの原因になるVOCなどの有害物質が含まれていない塗料です。具体的にどのような種類の塗料を選べばいいのか、アドバイスさせてくださいね!
低VOCやゼロVOCの水性塗料
匂いのしない塗料でDIY塗装したい場合、溶剤にシンナーが用いられている油性塗料ではなく、水で希釈する水性塗料を選ぶのがおすすめです。
水性塗料はシンナー特有の臭気がなく、低VOCやゼロVOCのペンキが多いため、VOCによる健康被害のリスクが低いです。
ペンキを購入する時は、製品表示も確認してみてください。
例えば、エコマークの付いたペンキは①VOCが少ない②人体や環境に影響がある化学物質を使用していない③ホルムアルデヒド放散量が少ない(F☆☆☆☆相当)の3つの基準を満たしており、安全性が高いです。
ただし、低VOCの水性塗料にもVOCは含まれる点には注意が必要です。
ゼロVOCの水性塗料でも有害物質がゼロとは限らないため、人体や環境への負担を考えると、ゼロVOC+化学物質ゼロの塗料を選ぶのがベストといえます。
無害で安全な成分のみ使用しているオーガニックペイントは、匂いのしない塗料です。
F☆☆☆☆等級以上のオーガニックペイント

ホルムアルデヒド放散量の少ないF☆☆☆☆(フォースター)は、匂いのしない塗料に入ります。制限のある他の等級の塗料とは異なり、内装リフォームに使用するのに安全性が高く、シックハウス症候群のリスクも低いといえます。
しかし、オーガニックペイントは、そもそも建築基準法の告示対象外なため、F☆☆☆☆よりも安全な塗料です。ホルムアルデヒドを全く放散しないので、使用面積の制限もありません。
エコスオーガニックペイントは、ゼロVOCのペンキで、ホルムアルデヒドを放散しないため、F☆☆☆☆等級以上です。実際に使用してみると分かるのですが、いやなにおいが全くなく、室内の塗装作業でも体調不良を起こす心配がありません。
梅雨時で窓が開けられないなど、換気がしにくい環境でも安心して使用できます。
内装リフォームやDIYでの塗料におい対策

内装リフォームやDIY塗装をする際の、塗料のにおいを軽減する対策法をご紹介します。
どれも簡単な方法ですが、あわせて行うと効果が高まるので、塗料のにおいが苦手な人は実践してみてください。
エコスオーガニックペイントはほとんど匂いのしない塗料ですが、念のため対策しておくと安心ですよ!
部屋の空気を入れ換える
VOCや有害物質は呼吸で体内に取り込まれます。体に取り込まれる量を減らすには、部屋の空気を入れ換えることが大切です。
ペンキの塗装中や作業後は、可能な限り窓を開けて換気しましょう。
できれば、窓を2ヶ所以上開けて、空気の出入り口を作ると良いです。
窓が一ヶ所しかないなど空気の流れが悪い場所では、窓に向けてサーキュレーターを回すと、においを外に追い出しやすくなります。
マスクを着ける
塗料のにおいが苦手な人は、ペンキの塗装時にマスクを着けて作業しましょう。簡易的な不織布マスクの中には、VOCや有害物質に対応した製品もあります。
一般的なマスクよりも、活性炭などの特殊なフィルターが内蔵されたマスクの方がにおい低減効果が高いです。
どうしてもにおいが苦手な方や、油性塗料など臭気の強い塗料を使用する際は、プラスチック製やシリコン製の防毒マスクの装着も検討しましょう。
匂いのしない塗料を使用する
においの元を断ち切るという意味では、匂いのしない塗料を使用するのがもっとも効果的です。「匂いのしない塗料はある?」の項で紹介したように、水性塗料はシンナーが含まれないため、強い臭気はありません。
ネット上でも、「水性塗料は臭わない」という感想が多くみられます。匂いのしない塗料は、周囲への配慮にもなるため、住宅街での外壁塗装で起きやすいトラブルが避けられます。
塗料のにおいがどうしても苦手という方やにおいに敏感な方は、エコスオーガニックペイントに代表される「無臭のペンキ」を選べば快適なDIY塗装が可能です。
この投稿をInstagramで見る
エコスオーガニックペイントは無臭で無害なので、初心者でもDIY塗装しやすいです。
においに敏感な私でも「本当ににおわない!」と感動しましたよ!
先日、エコス社のチョークボードペイントを使用したDIY塗装に挑戦してみました。
植木鉢を塗装した体験記とプラスチックケースを塗装した体験記があるので、においの感想も含めて参考にしてくださいね。
まとめ|匂いのしない塗料はDIY塗装やリフォームを楽しくしてくれます
油性塗料にはVOCや有害物質が多量に含まれるため、塗装中や塗装後に気分が悪くなる人が多いです。どんなに耐久性のある塗料でも、苦痛に思いながら塗装するのでは、仕上がりに影響が出てしまいかねません。また、塗料からVOCが蒸発しているかと思うと、安心して過ごせませんよね。
匂いのしない塗料は、シンナーやホルムアルデヒドのきつい臭いがないため、DIY塗装やリフォームを楽しくしてくれます。
ゼロVOCの塗料であれば、健康被害を心配する必要もないため快適に過ごせますし、赤ちゃんやペットがいるご家庭でも安心です。
これからDIY塗装やリフォームを行う方は、匂いのしない塗料を選び、作業を楽しんでくださいね!

担当ライター
WEBライター 原野 光佳(はらの るか)
WEBライターとして、さまざまなジャンルの記事を執筆しています。
インテリアデザインやおしゃれな家具・雑貨、色の持つ効果などに関して勉強中です。
化粧品や食品などもオーガニックを好んでおり、ユーザー目線でオーガニックペイントの魅力を伝えていきます!